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花粉症の治療と対策
花粉症の方にとってはツライ時期になりましたね。近畿を除く西日本では、例年と比較して、1〜4.8倍の花粉の飛散が予測されているため、いつもより症状がつらく感じる方も多くなるかもしれません。
今月のお薬コラムでは、花粉症についてのおさらいと、薬物療法・民間療法、および症状を軽くするためのセルフケアについて述べたいと思います。
 
☆花粉症とは
アレルギー性鼻炎の一種で、花粉を原因物質とするものを花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)といいます。原因物質となる主な植物として、スギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、シラカバ、ハンノキなどが挙げられますが、花粉の量には地域差があります。そのため、地域により、何に対する花粉症の患者さんが多いかが異なります。
花粉症の方は、花粉が入らないように排除する仕組みになっており、花粉に対する抗体を持っています。鼻や目にある抗体に花粉がくっつくと、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。そのヒスタミンが目を刺激するとかゆみが現れ、涙が出て、花粉を洗い流そうとします。鼻を刺激すると、くしゃみや鼻水を引き起こし、花粉を外にだそうとします。このようにして、花粉症の眼のかゆみ、涙、くしゃみ、鼻水はでるのですね。
 
☆花粉症と薬物療法
薬物療法はあくまで症状を抑えるための対症療法になります。薬物療法においては、治療開始時期が重要となります。アレルギー症状は、症状が悪化した状態ではお薬が効きにくくなるからです。そのため、花粉の飛散する前から抗アレルギー剤を服用し始める初期療法が有効と言われています。また、症状が落ち着いていても、シーズン中は治療を継続する維持療法も重要です。
 
以下に薬物療法の分類を紹介します。
抗ヒスタミン薬(内服薬、点鼻薬、点眼薬):粘膜を刺激する化学物質のヒスタミンを抑えます。内服薬は眠気が出ることがあるので、車の運転等をされる時には注意が必要です。
ケミカルメディエーター遊離抑制薬(内服薬、点眼薬):化学物質のヒスタミンやロイコトリエンなどが肥満細胞から遊離するのを抑えます。
ロイコトリエン受容体拮抗薬(内服薬):炎症を起こす物質、ロイコトリエンの作用を抑えます。効果が出るまで時間がかかることが多いので、長期の持続した服用が推奨されます。
血管収縮薬(点鼻薬):拡がった血管を縮めて鼻づまりを改善します。使いすぎると、かえって症状を悪化させることがありますので、医師の指示通りの回数を守りましょう。
ステロイド薬(点鼻薬、点眼薬):症状が強いときに使われることが多いお薬で、炎症を抑える作用があります。
 
☆花粉症と民間療法
医療機関において医師が指導する医療以外の医療のことを民間療法といいます。漢方(市販のもの)や健康食品(甜茶、シジュウム茶、クロレラ、花粉グミなど)、一般食品(ヨーグルト、ジャガイモ、ショウガ、乳酸菌剤など)、鍼(はり)、鼻洗浄療法、鼻スチーム療法が挙げられます。漢方、鼻洗浄、鼻スチ−ムなどは比較的、効果を感じることができたという人も多いようですが、その反面、効果がないと感じる人も多いみたいです。
いずれも、効果に関しては科学的評価がなされておらず、適正な服用や摂取が行われないと、安全性も保障されていないというのが現状です。試してみるのも一つの手ではありますが、民間医療に頼りすぎるために、通常の医療を受けずに症状が悪化してしまう、ということは避けたいところです。
 
☆花粉症のセルフケア
花粉との接触が多くなると、花粉症の症状が強くなる傾向があります。すなわち、花粉が体内に入らないようにすれば症状は軽度で抑えられます。
以下に、セルフケアのコツを紹介します。
無駄な外出をしない。特に、飛散の多い時間帯(午後1時〜3時頃)はさける。
窓やドアを閉めて、花粉が入らないようにする。
外から帰ったら、服をはたくなど、玄関先で花粉をシャットアウトする。
花粉症用のメガネやマスクを着用する。
うがいや手洗い、洗顔を徹底する。
ストレスや睡眠不足などは粘膜の状態を悪くするので、体調管理に留意する。
洗濯物、干した布団の花粉をよく落とす。
 
などです。ちょっとした心がけで、症状の悪化を防ぐことができるので、上記の事に気をつけてみてください。
 
早めの治療開始とセルフケアで、ツライ時期を快適に乗り切りましょう!
 

FROM:みさき薬局


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