多剤耐性菌について |
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最近話題の多剤耐性菌について調べてみました。 |
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まず、なぜニュースで大きく取り上げられたのか? |
1.有効な抗菌剤が少ないこと。 |
2.効果のある抗菌剤の開発が期待できないこと。 |
3.どの菌も薬剤耐性を持つ可能性があること。 |
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以前から抗菌剤の開発、薬剤耐性菌の出現とイタチごっこのように繰り返されてきました。 |
今回はβラクタム系(ペニシリン・セフェム・カルバペネム)・フルオロキノロン系・アミノグリコシド系が効かないとされるNDM1遺伝子を持つ多剤耐性菌、今のところ日本にある薬剤ではミノサイクリン塩酸塩・イセパマイシン硫酸塩だけが有効とされる多剤耐性アシネトバクターが出現しました。 |
耐性の獲得は細菌自体が変異したり、プラスミドの伝達より他の菌から耐性遺伝を得ることが知られています。 |
耐性の種類も様々ですが、細菌内に入った薬剤をポンプのように外にくみ出すもの、バイオフィルムという粘りのある強力な保護膜で身を守るもの、NDM1遺伝子のようにほとんどの薬剤を分解する酵素を作り出してしまうものがあります。 |
もし遺伝子伝達により多剤耐性を毒性の強い菌が獲得すると人類にとって深刻な問題となります。 |
しかし新薬の登場は、抗菌薬が出尽してきていること、製薬会社は抗菌剤を開発しても『薬剤耐性が出来ると薬の使用頻度が減り長期的売り上げに繋がらない』という事から踏み込みにくい分野になっているようです。 |
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(予防) |
今のところは健康であれば、皮膚・粘膜についたり、体に入ったりするだけでは発病することはないと言われています。ただ免疫が低下している状態ではうつる可能性はあります。もちろん、他の菌と同じように手洗い・うがいは有効的な予防法であり、加熱やアルコール消毒も効果があると言われています。 |
もしかしたら今後は『対症療法やりつつ自己免疫が細菌に打ち勝つまで待つ』という時代が来るかも… |
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FROM:あかね薬局 |