脳卒中について |
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脳卒中という言葉を聞いたことがあると思いますが、脳卒中とはいったいどんな病気なのでしょうか? |
『脳で卒然(=突然)として中る(=当たる)病気』を脳卒中と言います。脳で突然起こってしまった病気全般を「脳卒中」というわけです。 |
大きく分けると「脳出血」と「脳梗塞」になるのですが、どちらも脳内の血管が破れたり詰まったりする病気なので脳血管疾患と言われたりもします。 |
平成21年度の日本における死因の第3位(鹿児島県でも同じく第3位)となっており、早期発見や予防が重要になってきます。 |
では、この2つについて紹介していきます。 |
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●脳出血について。 |
脳出血には「脳内出血」と「くも膜下出血」があります。どちらも脳の血管が破れる病気で、出血を伴うため脳出血と呼ばれます。 |
動脈硬化などが原因で細い血管が破けたために起こる出血によるものを脳内出血、太い血管にできたこぶ(=脳動脈瘤)が破けたために起こる出血によるものをくも膜下出血、と呼び区別します。 |
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原因 |
予防 |
脳内出血 |
多くは高血圧!! |
血圧管理(自分で測ってしっかりコントロール) |
くも膜下出血 |
太い血管にできたこぶ(=脳動脈瘤)が破けた |
破ける前に検査(脳ドック)で脳動脈瘤を見つけて手術する |
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脳内出血では原因の多くが高血圧とされ血圧のコントロールが必須になります。血圧コントロールとしては、@食事療法(塩分を控える)A運動療法(歩く・泳ぐ)B薬物療法(降圧薬を服用する)などの方法があります。血圧はどうしても下がりにくい体質の方もいますが、@食事療法やA運動療法である程度下がりますので本人の努力が大切です。 |
くも膜下出血では脳動脈瘤ができる原因として高血圧や遺伝的背景(血管の壁が生まれつき弱い)などが考えられており、過度の飲酒や喫煙も原因となりうるとされています。 |
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典型的な症状 |
脳内出血 |
急な運動機能の麻痺(しびれ・脱力など)やしゃべりにくさ、めまいなど |
くも膜下出血 |
突然の激しい頭痛、激しい嘔吐、意識消失など |
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どちらも急に症状が現れ進行しますが、くも膜下出血では激しい頭痛があるが麻痺などの運動機能障害がないこともあるなど症状に違いがあることがあります。 |
突然の頭痛を訴えたあつで倒れた人を目の前にしたらくも膜下出血と決めて救急車を呼ぶべきだというぐらい特徴的な症状です。 |
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●脳梗塞について。 |
脳梗塞は「脳の血管が詰まる病気」のことで、血のかたまり(血栓)が血管をふさいでしまい、血流が途絶えてしまうこと(脳虚血)により栄養・酸素が届かず脳がダメージを受けてしまう病気です。この脳虚血が続くと脳細胞が壊死してしまいます。 |
ちなみに、脳卒中(脳血管疾患)の7〜8割を脳梗塞が占めています。 |
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脳梗塞は原因の血栓がどこでできたものかによって呼び名が変わります。 |
@高血圧や糖尿病などの生活習慣病を主な原因とするアテローム血栓性脳梗塞、A心房細動や心筋梗塞などによって心臓にできた血栓が脳に運ばれ脳の血管を詰まらせる心原性脳塞栓症、B高血圧などを原因として脳の細い末梢血管にが詰まるラクナ梗塞、などがあります。 |
現在は@アテローム血栓性脳梗塞やA心原性脳塞栓症が増加傾向にあると言われています。 |
このように呼び名が複数あることからも分かるとおり、原因はいっぱいあり、予防方法もいっぱいあります。もちろん加齢とともに増えていく病気でありますので完璧な予防方法はないと言えます。しかし、心臓病や高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・過度の飲酒などによる生活の乱れである生活習慣病も重要なリスクになりうることを知っておかなければなりませんし、それらに対策を立て、実行していくことがそのまま予防となるのです。 |
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脳梗塞で困るのは『いったん死んでしまった細胞は二度と元に戻らない』ということです。 |
詰まってしまい細胞が死んでしまったところが運動を司るところであれば麻痺や寝たきりといった後遺症が残りますし、言語を司るところであればしゃべれなくなるなどの言語障害があらわれます。リハビリなどで戻ることもありますが、戻らないこともあります。 |
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何度も言いますが、脳卒中は『突然』おこる病気です。食生活の見直しや禁煙など生活習慣に気を付け予防することが一番大事です。 |
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FROM:かりん薬局 |