アスピリン喘息について |
|
(1) アスピリン喘息とは |
アスピリンに代表される酸性非ステロイド性抗炎症剤・解熱鎮痛剤によって発作が誘発される喘息。 |
アスピリン喘息といわれるが、アスピリンだけが原因物質ではない。様々な化学物質が原因となることが分かっている。 |
たまたまアスピリンが原因になることで発見されたことと、他に適切な呼び名がない事から、現在でもアスピリン喘息と呼ばれている。あえてより正確に呼べば「酸性非ステロイド性抗炎症剤喘息」となるが長く言いづらく定着していない。 |
アレルギーとして発作がでるわけではなく、遺伝的な影響もなく、そのメカニズムはいまだに解明されていない。 |
|
(2) アスピリン喘息の特徴 |
原因となる薬剤が体に入ってから、数分〜1時間以内に喘息発作が起こる。 |
|
<典型的な発作の起こり方> |
薬剤を投与してから、約30分に、まず鼻水・鼻閉に始まり、次に咳・ゼーゼーが出始め、喘息発作となり呼吸困難に陥る。 |
小児ではまれ。成人では、喘息全体の10%を占める。3:2で女性に多く、30〜40歳で喘息を発症した人に多い。 |
|
(3) 発作誘発物質:原因となる物質 |
分類 |
物質名 |
商品名 |
酸性非ステロイド炎症剤 |
サリチル酸(アスピリンなど) |
アスピリン、バッファリン |
フェナム酸(フルフェナム酸) |
ポンタール |
フェニル酢酸(ジクロフェナク) |
ボルタレン |
インドール酢酸
(インドメタシン、スリンダク) |
インダシン、インメシン、インテバン |
|
インフリー、クリノリル |
プロピオン酸
(イブプロフェン、ケトプロフェン) |
ブルフェン、オルジス、ナイキサン |
ナプロキセン |
ロキソニン |
テノキシカム |
バキソ |
解熱鎮痛剤 |
ピリン系解熱鎮痛薬 |
スリピリン |
非ピリン系解熱鎮痛剤 |
カトナール、アンヒバ |
|
|
|
(4) 解熱鎮痛剤を使ってから喘息発作までの時間 |
飲み薬だけでなく、痛み止めの入ってるものならシップ剤でも発作を起こす。 |
内服薬 数分〜2時間(平均20分) |
坐薬 数分〜1時間 |
シップ・塗り薬 1〜6時間 |
|
(5) アスピリン喘息の可能性が高い人 |
● 成人になってから喘息になった。 |
● 女性である |
● 鼻も悪い |
● アレルギー検査が陰性 |
● 季節に関係なく発作が出る |
|
(6) アスピリン喘息と診断された人 |
限られた解熱鎮痛剤しか使えない。ただし全ての解熱鎮痛薬が飲めないわけではなく個人差がある。 |
主治医(かかりつけの医療機関)をはっきり決め、使える薬剤をはっきりさせておく。 |
喘息患者の全てがアスピリン喘息ではなく、多くの喘息患者は、痛み止めを飲んでも問題ないが注意は、必要である。 |
医療機関で出される風邪薬、薬局で売っているかぜ薬にも、解熱鎮痛剤は含まれている。 |
塩基性非ステロイド性抗炎症剤は、酸性の薬剤に比べて、効果はやや落ちるが、アスピリン喘息を起こす可能性は、非常に低い。アセトアミノフェンもかなり安全である。安全な薬もあるし、患者さん個々で使える薬と使えない薬が違います。 |
|
FROM:みさき薬局 |