痛風・高尿酸血症 |
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〈 高尿酸血症 〉 |
血清尿酸値が7mg/dLを超えた場合を言います。 |
高尿酸血症そのものはなんの症状もありませんが、8mg/dLを超える状態で治療せずに、長期間放置したり、治療の中断があると、体の中で多くなった尿酸が溶けきれず関節や腎臓で結晶のかたまりとなって痛風発作や腎結石・尿管、尿路結石や腎障害を引き起こします。糖尿病・高血圧・高脂血症とも合併しやすい生活習慣病であり、動脈硬化の原因となり心血管系の疾患を引き起こします。 |
尿酸とは、体の細胞の新陳代謝の消費によってできる老廃物です。 |
尿酸のもとはプリン体という物質で、細胞や食品中に含まれてます。人の体内では毎日プリン体から尿酸がつくられ、腎臓から尿に溶けて排泄されてます。 |
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〈 高尿酸血症の原因 〉 |
体の中では、毎日ほぼ一定の尿酸が産生され、主に腎臓から排泄されています。 |
この産生と排泄のバランスが崩れると、体内の尿酸の量が増えすぎて高尿酸血症になります。バランスが崩れる原因ははっきりわかってませんが、生まれつきの体質・肥満・飲みすぎ・食べすぎ・ストレスなどの要因が関係してると考えられています。 |
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尿酸排泄低下タイプ |
60% |
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尿酸産制過剰タイプ |
10% |
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両者合併タイプ |
30% |
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〈 痛風 〉 |
尿酸の結晶が関節に沈着しておこる病気です。 |
患者の90%以上が男性で、関節が赤く腫れ上がり激しい痛みをともなうのが特徴です。 |
また、発作がおさまり治療を怠っていると、尿酸が関節や軟骨の周辺、腱や皮下組織などに沈着してコブ状の肉芽腫組織を作ります。これを痛風結節といいます。尿酸値を高いままにしておくと痛風結節はだんだん大きくなり外科手術で切除しなくてはなりません。 |
痛風結節ができやすいのは、痛風の発症箇所と同様に体温の低いところにできます。 |
( 足の指の関節・耳介・肘関節の後ろ・膝の皿の表面・くるぶし等 ) |
そして、痛風患者の約二割に腎臓結石が発症します。ほっておくと、腎機能が低下し尿酸の排泄機能が低下し、さらに痛風を悪化させます。 |
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〈 治療 〉 |
《 対症療法 》 |
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痛風発作時には、インドメタシン・フェンブフェン・ナプロキセン・オキサプロジンなどの消炎鎮痛剤( NSAIDs )を短期間使います。 |
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痛風患者で発作の前兆を感じた時にはコルヒチンを1〜2錠服用します。 |
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しかし、コルヒチンは発作には効果がありません。 |
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最近では、NSAIDsではなくステロイドを服用したほうが、効果は同等で副作用(悪心、消化管出血など)は少ないとする報告があります。 |
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発作をおこしてるときは安静を保つ必要があります。動かすと症状は悪化します。 |
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発作がおこってから一ヶ月は尿酸値を下げる薬は服用しません。 |
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この時期には、尿酸値を下げる薬が発作を引き起こすことがあるからです。 |
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《 原因療法 》 |
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尿酸産生抑制( アロプリノール ) |
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尿酸排泄促進( プロベネシド、ベンズブロマロン、パラミジン ) |
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ただし、尿酸排泄促進をする薬を服用する場合尿中の尿酸量が増えて尿路結石の原因になる場合があるので、尿をアルカリ化する薬を併用する必要がある場合もあります。 |
これらの薬は、長期間もしくは一生飲み続ける必要があります。 |
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《 予防 》 |
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水分を多めにとる |
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尿をアルカリ性にする |
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適度な運動をする |
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肥満を抑える |
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ストレスをなくす |
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FROM:ひまわり薬局 |