子どもへの漢方薬の飲ませ方について |
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現在新型インフルエンザが大流行していますが、当薬局ではタミフルまたはリレンザといった抗ウイルス剤ともに漢方薬の麻黄湯が処方されるケースが多く見られます。 |
そこで、幼児や小学生の患者さんに漢方薬をうまく飲んでいただける方法を探すため、メーカーさんからの回答をもとに実際にいろいろな方法で試しに飲んでみることにしました。 |
まずは麻黄湯について簡単に説明します。 |
麻黄湯は四つの生薬(麻黄、桂枝、杏仁、甘草)から構成されています。それぞれの生薬には次のような作用があります。 |
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麻黄・桂枝 |
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強い発汗作用 |
杏仁 |
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止咳去痰 |
甘草 |
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発汗過多を制御 |
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インフルエンザの症状の改善にぴったりといった気がします。 |
ただ漢方薬は副作用がないと思われがちで、誰にでも使えそうな気がしますが、体質に合わなかったり、服用の方法を間違えると副作用を引き起こしてしまいます。 |
ですから、患者さんの証(体質・症状)を十分考慮して処方されなければなりません。 |
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それでは本題の子どもへの漢方薬の飲ませ方についてです。 |
メーカーさんからは、ココアに溶かす、濃い味のジュースで飲ませる、バナナに練り込む、オブラートに少しずつくるんで飲ませる等の回答をいただきました。 |
そこで、ココア、ヨーグルッペ、アイスクリーム、プリン、ヨーグルト、バナナ、おみそ汁を準備し実際に飲んでみました。結果は以下の通りです。 |
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≪1位 ココア≫
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濃い目に作ると、漢方薬を入れてもあまり風味が変わりません。これはいけるといった感想でした。ただし子どもが飲みきれる量のココアを作ってください。
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≪2位 アイスクリーム≫
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大きめのスプーンの上でアイスクリームの間に挟み込むように漢方薬を入れて口の中へ。アイスクリームは溶けるのが速いので、すかさずもう一口アイスクリームを足すことがポイントです。
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≪3位 プリン、ヨーグルト≫
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アイスクリームと同じようにプリンの間に挟み込むように漢方薬を入れ、つるんと飲み込ませます。ただし飲み込ませる量には注意してください。
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大人と子どもでは飲み込める量やスピードに違いがありますので、必ずしも上記の結果が子どもにもあてはまるとは限りませんが、少しでも参考になればと思います。
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ちなみに、ジュース類は、結局は漢方薬を直接口に入れなくてはならないのでNG。 |
バナナに練り込むは、飲み込む際噛まなくてはならないので結構漢方薬の味がしてNG。 |
おみそ汁(日本の味)はダークホースになるかと思いきや、大人の私でも吐き出しそうになりNG.。といった結果でした。 |
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FROM:なぎさ薬局 |