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不整脈と抗不整脈薬・抗凝固薬について
まずは不整脈とはどういう状態なのでしょうか?
文字通り『脈』が『不整』であることなのですが、リズムが規則的であることを『整』であるといい、
リズムが一定でなく不規則的であることを『不整』というので、規則的ではない状態の脈を不整脈といいます。
 
『脈』とは心臓の拍動による動脈内圧の変動とそれに伴う動脈血管壁の波動のことで、普通は橈骨(とうこつ)動脈で触診します。よく手首の内側で測りますよね。
なので、普通は心臓がドクンと動いて血液を押し出しその血液が動いてきたのを脈として測定していますから、心臓が動いた(心拍)回数である「心拍数」と「脈拍」はほぼ同じになります。
しかし、様々な原因(心房細動など)で心拍があってもうまく血液が送り出せず流れないと心拍数と脈拍が同じではない脈拍欠損が起こります。
 
では不整脈はどのようにして起こり、どのような種類があるのでしょうか?
 
ものすごく大ざっぱに書いてしまうと、心臓は下記のように4つに分かれており、真ん中の壁の部分を上から下に弱い電気が流れて心筋を動かします。この流れを測るのが心電図であり、心電図をとるときは外から電気を流しているわけではありませんのでご注意を。
ちなみに、大動脈・大静脈によって全身に酸素を送る役割(体循環)は左心室(大動脈)から出て右心房(大静脈)に戻り、酸素が少なくなった血液に肺から酸素を補給する役割(肺循環)は右心室(肺動脈)から出て左心房(肺静脈)に戻ってきます。
 
そして電気の流れる経路は上の図の真ん中を上から、
 
 
簡単に説明すると、社長(洞結節)が指令(心筋細胞の興奮)を出し、中間管理職(刺激伝導系)が社員(心房筋や心室筋)に指示を出すといった事を次々と繰り返して心臓が規則正しく動いています。また、洞結節はペースメーカー細胞とも言われ、重要な役割を果たしています。
そして、これらの経路のどこか(一部または複数部分)で異常が生じると心臓が正常に動かず不整脈がおこってしまいます。
 
では不整脈の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
脈拍数の正常は1分間に60〜100回となっており、60回未満のゆっくりな状態を徐脈性不整脈、100回以上の早い状態を頻脈性不整脈と言います。
 
○頻脈性不整脈(100回以上/分)
  上室性(心房性)
    ・洞頻脈        
    ・心房期外収縮        
    ・心房頻脈        
    ・発作性上室頻拍        
    ・心房粗動        
    ・心房細動 徐脈性のものもある    
心室性
    ・心室期外収縮        
    ・心室頻拍        
    ・心室細動        
○徐脈性不整脈(60回未満/分)
    ・房室ブロック 1度房室ブロック    
      2度房室ブロック Wenckebach型
          Mobitz型
      3度房室ブロック    
    ・洞不全症候群 T群 洞徐脈    
      U群 洞房ブロック or 洞停止
      V群 徐脈頻脈症候群    
○その他
    ・QT延長症候群(先天性・後天性)
    ・早期興奮症候群 WPW症候群    
      LGL症候群 など
 
また、頻脈・徐脈を問わず不整脈が原因で起こる脳虚血発作をAdams−Stokes(アダムスストークス)発作とよび、血圧の低下や心拍出量低下により脳虚血状態となり、めまいや失神・けいれんなどの症状が出ます。前兆として動悸や胸痛を自覚することがあり、徐脈の場合は3秒以上の心停止でめまいを、5秒以上で失神をきたすとされています。
 
では、不整脈に使われる医薬品(抗不整脈薬)にはどのようなものがあるのでしょうか?
ナトリウム(Na)イオンやカリウム(K)イオン、カルシウム(Ca)イオンの流出入に関する分類や、薬が作用するためのカギとなる受容体による分類で区別されます。
 
・Naイオンチャネル遮断薬
  伝導速度を遅くする
・Kイオンチャネル遮断薬
  再分極を延長させて不応期を延長(QT延長 )
・Caイオンチャネル遮断薬
  洞結節や房室結節の興奮伝導抑制
・β受容体遮断薬
  交感神経作用を抑制し、自動能亢進を抑制
・アデノシンA1受容体作動薬
  CaイオンやKイオンチャネルに影響して洞結節や房室結節の伝導抑制
・ムスカリンM2受容体作動薬
  迷走神経刺激作用により洞結節や房室結節の伝導抑制
・ムスカリンM2受容体遮断薬
  洞結節や房室結節の興奮伝導を促進
 
注意してほしいのが、どの薬も全般的な副作用として心筋収縮力の低下・新たな不整脈の誘発や既存の不整脈の悪化があり、それぞれの薬でも特徴的な副作用があります。しかし、副作用を恐れるあまり自己判断での服薬中止によりAdams−Stokes(アダムスストークス)発作などを起こすことも考えられますし、自己判断での服薬中止は絶対にしてはならず主治医の指示を必ず守りましょう。また、不安があればしっかりと主治医などに相談しましょう。
 
また、脈が乱れ血液の流れが規則正しくないとなると心臓内での血栓(血の固まり)ができやすい状態になります。特に心房細動では左心房内に血栓が生じやすくなり、できた血栓が全身に回ることにより、脳に詰まれば脳梗塞(心原性脳塞栓症)、四肢に行くと四肢塞栓を起こしてしまいます。
特に心原性脳塞栓症は脳梗塞の約30%占めており、大きめの血栓が大きな血管をふさぐ事により広範な梗塞につながりやすく、重大な結果をもたらしてしまいます。
 
この塞栓症を予防するために、ワーファリンやプラザキサ(新薬)を用いて抗凝固療法も合わせて行います。不整脈自体を抑える目的ではないですが、これもとても大事な治療になります。
 
加齢や高血圧なども原因の1つとなります。不整脈があれば必ず薬が必要というわけでもなく、経過観察で十分な場合も多いので過度の心配は不要ですが、しっかり治療・服薬をしないと命に係わることがある事もまた事実です。
 
かかりつけ医を持ち、定期健診はしっかりしておきましょう!!
 

FROM:かりん薬局


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